情炎の焔~危険な戦国軍師~
「では、あなたは彼女の何なんです?もう別れを告げられて、未練を引きずるただの男でしかない」


ふいに冷たく突き付けられた言葉で、ふと我に返る。


「え?」


「嫌いだとはっきり告げられたんでしょう?ならばすでに、あなた達の関係は終わっている」


そう、なのか…?


彼女の突き放す言葉の数々。


残忍に笑った顔や悲しげな暗い顔。


あれは本心じゃない。


本当の彼女じゃない。


そのはずなのに。


返す言葉が、まるでまっさらな紙を頭に突っ込まれたかのように出てこない。


「俺は」


たったの三文字だけがようやく口から出る。


俺は。


今やその先にどんな言葉を続けるというのか。


分からなくなった。


今の俺は、彼女にとって何なんだ…?


惑う俺とは対照的に、藤吾は笑みすら浮かべているようだ。


「もう彼女に一方的につきまとうのはやめてもらえませんか」


無情な言葉に、とうとう何も言えなくなってしまった。


こんなはずじゃなかったのに。


こんな奴に築き上げてきた愛をあっさりと奪われるなんて。


「藤吾さん?」


その時、ふいに女の声がその場を彩った。
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