情炎の焔~危険な戦国軍師~
数日後、俺は床に伏せっていた。
高い熱を出して寝込んでいたのだ。
医者から風邪だと聞いた幸村が心配して見舞いに来てくれたが、なかなか良くならなかった。
「うう…」
意識がふわふわしている。
まとわりつくような熱さで思考が奪われる。
今までろくに病などかからなかったのに、ここに来て最愛の人を奪われ、熱で寝込む俺はなんて惨めだろう…。
そう思ってしばらくぼんやりしていると、いつのまにか夢を見ていた。
傍らになぜか友衣さんが座っている。
熱のせいか少し視界が歪んでいるが、それは彼女に間違いなかった。
俺の願望が、こんな夢を見させているというのか。
「うつして、いいですから」
そう聞こえたと思うと、顔がゆっくり近付いてきて、そっと唇が重ねられた。
久しぶりの口づけ。
困惑も棘もない優しい声。
柔らかな頬笑み。
すべてがばれんたの日以来だった。
なんて美しい夢だろう。
「友衣さん…」
どうか覚めないでくれ。
以前のように彼女の深い愛を感じられている。
今、俺の心は空を飛んでいるようだった。
ああ、またこうしてずっといられたらいいのに…。
だが、無情にもそこで夢は途切れた。
高い熱を出して寝込んでいたのだ。
医者から風邪だと聞いた幸村が心配して見舞いに来てくれたが、なかなか良くならなかった。
「うう…」
意識がふわふわしている。
まとわりつくような熱さで思考が奪われる。
今までろくに病などかからなかったのに、ここに来て最愛の人を奪われ、熱で寝込む俺はなんて惨めだろう…。
そう思ってしばらくぼんやりしていると、いつのまにか夢を見ていた。
傍らになぜか友衣さんが座っている。
熱のせいか少し視界が歪んでいるが、それは彼女に間違いなかった。
俺の願望が、こんな夢を見させているというのか。
「うつして、いいですから」
そう聞こえたと思うと、顔がゆっくり近付いてきて、そっと唇が重ねられた。
久しぶりの口づけ。
困惑も棘もない優しい声。
柔らかな頬笑み。
すべてがばれんたの日以来だった。
なんて美しい夢だろう。
「友衣さん…」
どうか覚めないでくれ。
以前のように彼女の深い愛を感じられている。
今、俺の心は空を飛んでいるようだった。
ああ、またこうしてずっといられたらいいのに…。
だが、無情にもそこで夢は途切れた。