情炎の焔~危険な戦国軍師~
「…そうだったんですね」
ひとしきり話し終わって左近様は頷いた。
「ごめんなさい。でも私、こんな守り方しか出来なくて」
「友衣さん。俺、本当は」
その時だった。
「動くな」
「うっ!」
いつのまにか現れた藤吾さんに羽交い締めにされた。
「友衣さん!」
左近様が落ちている槍を拾おうとしたが、私の首に刀が突きつけられる方が早かった。
「藤吾、貴様…」
「どういうつもりですか、藤吾さん」
「こんなに愛しているのに、かなわないならいっそこの手で…」
切羽詰まった声を出す藤吾さん。
目が、異次元を見ているかのように虚ろだ。
本当に殺されるかもしれないという恐怖に鳥肌がザワッと立つ。
「友衣さんの気持ちは無視か」
左近様は彼を睨む。
「僕は友衣が好きだ。それ以上でも以下でもない」
「ほう、だからといって無理に脅して手に入れようだなんて愛する女にやることじゃない。なんだったら」
そして藤吾さんにどんどんと歩み寄り、顔を近付けてクスッと妖艶な笑みを浮かべた。
「俺が教えてあげましょ?女性の扱い方を」
「なっ…!」
左近様のセリフが頭に来たのか、それとも色香の溢れる微笑に惑わされたのかはわからないが、藤吾さんがわなわなと震えながら顔を真っ赤にする。
「はあっ!」
その隙に左近様が私を捕らえていた腕をひねり上げた。
「さ、いつまでも触らないでもらいましょうか。俺の大切な女に」
左近様に守るように抱き寄せられ、緊張が一気に緩む。
「俺の大切な女?」
「ええ。聞こえませんでした?」
険しい視線を物ともせず彼は笑う。
「友衣さんは渡さない。お前のような奴にこの優しく可憐な花は似合わない。おとなしく返してもらうぜ?」
「貴様っ」
いきなり藤吾さんが刀を振りかざす。
危ない!
とっさに私は左近様をかばうように前へ飛び出した。
ひとしきり話し終わって左近様は頷いた。
「ごめんなさい。でも私、こんな守り方しか出来なくて」
「友衣さん。俺、本当は」
その時だった。
「動くな」
「うっ!」
いつのまにか現れた藤吾さんに羽交い締めにされた。
「友衣さん!」
左近様が落ちている槍を拾おうとしたが、私の首に刀が突きつけられる方が早かった。
「藤吾、貴様…」
「どういうつもりですか、藤吾さん」
「こんなに愛しているのに、かなわないならいっそこの手で…」
切羽詰まった声を出す藤吾さん。
目が、異次元を見ているかのように虚ろだ。
本当に殺されるかもしれないという恐怖に鳥肌がザワッと立つ。
「友衣さんの気持ちは無視か」
左近様は彼を睨む。
「僕は友衣が好きだ。それ以上でも以下でもない」
「ほう、だからといって無理に脅して手に入れようだなんて愛する女にやることじゃない。なんだったら」
そして藤吾さんにどんどんと歩み寄り、顔を近付けてクスッと妖艶な笑みを浮かべた。
「俺が教えてあげましょ?女性の扱い方を」
「なっ…!」
左近様のセリフが頭に来たのか、それとも色香の溢れる微笑に惑わされたのかはわからないが、藤吾さんがわなわなと震えながら顔を真っ赤にする。
「はあっ!」
その隙に左近様が私を捕らえていた腕をひねり上げた。
「さ、いつまでも触らないでもらいましょうか。俺の大切な女に」
左近様に守るように抱き寄せられ、緊張が一気に緩む。
「俺の大切な女?」
「ええ。聞こえませんでした?」
険しい視線を物ともせず彼は笑う。
「友衣さんは渡さない。お前のような奴にこの優しく可憐な花は似合わない。おとなしく返してもらうぜ?」
「貴様っ」
いきなり藤吾さんが刀を振りかざす。
危ない!
とっさに私は左近様をかばうように前へ飛び出した。