情炎の焔~危険な戦国軍師~
「やれやれ。暴力もいけませんな」
ガッ
私の頭上で刀は止まった。
見ると左近様が刀を持つ腕を掴んでいる。
そしてそれを奪い取ってから掴んでいる腕をひねり上げた。
「あんた、友衣さんを本当に愛しているのか?」
「そうだ」
「笑わせるな。愛はそんなものじゃない」
左近様はいつになく鋭い声で言った。
「好きな人のそばにいたい。それだけではなく、大切にしたい、守りたい。そういう気持ちがあって初めて愛してると言えるんだ」
「…」
「あんたの言う愛は愛とは言えない。ただの、自己満足だ」
「くっ…」
真っ向から否定されてショックを受けたのか、力なく頽(くずお)れる藤吾さん。
「左近殿、いかがした!?」
バタバタと足音がしたと思うと、幸村様が現れた。
「藤吾?!友衣殿に何をしているのだ!」
「幸村、あいつが徳川の忍だったんだ。そして今は、惚れた友衣さんへの思いが叶わず殺そうとしている」
左近様は簡潔に答えた。
「バカな!お前が…徳川の…?」
幸村様の顔が一瞬で青ざめる。
「お前を信じて生きてきた日々はすべて偽りだったというのか?」
「俺はもう、豊臣の人間ではない」
藤吾さんがそう言い放つと同時にどこからともなく影月さんが現れた。
「ならば裏切り者である上に、忍の道を踏み外したお前を処分するまでです。藤吾…覚悟せよ」
その声と同時に刀の銀が閃くように藤吾さんのいる場所を掻き切るが、彼はひらりと身をかわす。
そのまま影月さんと藤吾さんの一騎討ちになった。
さすがにふたりとも幸村様の忍なだけあって、互角の戦いだ。
「やっ」
「はあっ」
キィン、キィンと刃の衝突する音だけがその場に雨あられのようにせわしなく響く。
藤吾さんが攻撃をよけて刃を振りかざしたかと思えば、影月さんはかわすと同時に刀を突き出す。
そんな攻防戦がしばらく続いた。
「ふっ」
藤吾さんが庭におどり出たと思うと屋根に飛び乗る。
影月さんもそれを追い、私達も部屋を出て庭からそれを見上げた。
その刹那。
シュッ
「!」
ガッ
私の頭上で刀は止まった。
見ると左近様が刀を持つ腕を掴んでいる。
そしてそれを奪い取ってから掴んでいる腕をひねり上げた。
「あんた、友衣さんを本当に愛しているのか?」
「そうだ」
「笑わせるな。愛はそんなものじゃない」
左近様はいつになく鋭い声で言った。
「好きな人のそばにいたい。それだけではなく、大切にしたい、守りたい。そういう気持ちがあって初めて愛してると言えるんだ」
「…」
「あんたの言う愛は愛とは言えない。ただの、自己満足だ」
「くっ…」
真っ向から否定されてショックを受けたのか、力なく頽(くずお)れる藤吾さん。
「左近殿、いかがした!?」
バタバタと足音がしたと思うと、幸村様が現れた。
「藤吾?!友衣殿に何をしているのだ!」
「幸村、あいつが徳川の忍だったんだ。そして今は、惚れた友衣さんへの思いが叶わず殺そうとしている」
左近様は簡潔に答えた。
「バカな!お前が…徳川の…?」
幸村様の顔が一瞬で青ざめる。
「お前を信じて生きてきた日々はすべて偽りだったというのか?」
「俺はもう、豊臣の人間ではない」
藤吾さんがそう言い放つと同時にどこからともなく影月さんが現れた。
「ならば裏切り者である上に、忍の道を踏み外したお前を処分するまでです。藤吾…覚悟せよ」
その声と同時に刀の銀が閃くように藤吾さんのいる場所を掻き切るが、彼はひらりと身をかわす。
そのまま影月さんと藤吾さんの一騎討ちになった。
さすがにふたりとも幸村様の忍なだけあって、互角の戦いだ。
「やっ」
「はあっ」
キィン、キィンと刃の衝突する音だけがその場に雨あられのようにせわしなく響く。
藤吾さんが攻撃をよけて刃を振りかざしたかと思えば、影月さんはかわすと同時に刀を突き出す。
そんな攻防戦がしばらく続いた。
「ふっ」
藤吾さんが庭におどり出たと思うと屋根に飛び乗る。
影月さんもそれを追い、私達も部屋を出て庭からそれを見上げた。
その刹那。
シュッ
「!」