情炎の焔~危険な戦国軍師~
第7戦 私の意地悪な男性(ひと)
「たあ!」


ある日、私は中庭で竹刀の素振りをしていた。


ここに来て数ヶ月。


もっともっと強くならなきゃと訓練に励んでいる。


「あんた、なかなか筋がいいんじゃないんですか?」


その声に振り向くと、爽やかな笑みを浮かべた左近様がやって来た。


「あ、左近様」


瞬時に胸の奥が不思議な気持ちになる。


「毎日頑張ってるじゃないですか」


「はい。左近様のためにも」


絶対に歴史を変えるんだから。


「え?」


その驚いた顔を見て私は自分の発言の意味に気付き、慌てた。


「あ、やだ。何言ってるんだろ私」


すると左近様はくすくすと笑って言った。


「あんたみたいな女、嫌いじゃないですよ」
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