情炎の焔~危険な戦国軍師~
「さ、左近様っ」


「こうすると、落ち着くでしょう?」


彼はそう言うが、私は逆に余計ドキドキしてしまう。


ふう、と深い息が耳元で聞こえる。


相当リラックスしているようだ。


(左近様…)


出会って、そしてあなたに惹かれて数ヶ月。


ドキドキするのに、着実に積み重なってきた想いが炎のように燃え上がっていく。


「…あんた、ずいぶんおとなしいですね」


「だって」


「そんなに顔を真っ赤にして。可愛いですね」


「もう!からかうのはやめて下さい」


からからと笑う左近様を放置して、私は城内へ戻っていった。


だけど、心臓だけはいつまでも激しく脈打っていた。
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