情炎の焔~危険な戦国軍師~
そして俺は彼女にまた声をかけた。


「友衣さん」


「もう、嫌です」


「え?」


「もう左近様なんか嫌です」


「俺がからかうからですか?」


「わかっているならどうして」


「それはあんたが可愛いからですよ。あんた以外の女じゃいけない」


つい言ってしまったが、本当のことだった。


しかし、友衣さんの表情は晴れない。


「…そんな簡単に可愛い、だなんて…」


その恥じらった顔に胸が熱くなる。


そしてまた性懲りもなく甘言を囁いてしまった。


「本当に男慣れしてないんですね。ふっ、そういうところが可愛いんですよ」
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