情炎の焔~危険な戦国軍師~
「やだ、そんなに見ないで下さいよ」


気恥ずかしくて思わず目を逸らした。


「こんな時でも照れ屋なんですね」


左近様の瞳の熱はいまだ冷めない。


「そんな可愛い顔、他の奴には見せないで下さいね?」


「か、可愛い?!」


言われ慣れないことを言われ、私は混乱しかけた。


「っていうかこんな時って?」


話を無理に逸らす。


「夜に部屋で2人きりってことですよ」


「!」


かあっと体が熱くなる。


「友衣さん」


頬にいつもより少し熱い手が触れる。


恥ずかしさで爆発しそうになった私はぎゅっと目をつぶった。


「あんただけですから」


「え?」


思わず目を開ける。


「こうやって愚痴を打ち明けるのは」


「はい」


笑って頷いたその直後。


「あっ!?」


私の視界がぐらりと揺れた。


目に映ったのは天井。


そして左近様の行灯に照らされた赤い顔だった。


私…左近様に押し倒されてる!?
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