情炎の焔~危険な戦国軍師~
6月。
すでに徳川軍は会津に向けて出立していた。
「殿」
左近様は真剣な面持ちで言う。
「どうした」
三成様もそれを見て何か感じたのだろう。
声が一段と低くなった。
「二千の兵を貸して下さい」
「何?」
「俺がある筋から入手した情報によると家康は石部辺りに泊まるそうです。家康を討ち取ってきます」
「無茶な」
「成功するかはもちろんわかりません。ですが家康に冷や汗をかかせるくらいは出来るでしょう」
三成様は深いため息をついた。
「ならば行って来い」
「ありがとうございます」
「ちょうど石部の向こうの水口の辺りに豊臣派の将がいる。そいつに協力を頼むと良い」
そう言って三成様は文机に向かい、サラサラと筆で何か書き、左近様に渡した。
そして左近様は頭を下げて準備のため、部屋を辞したのであった。
すでに徳川軍は会津に向けて出立していた。
「殿」
左近様は真剣な面持ちで言う。
「どうした」
三成様もそれを見て何か感じたのだろう。
声が一段と低くなった。
「二千の兵を貸して下さい」
「何?」
「俺がある筋から入手した情報によると家康は石部辺りに泊まるそうです。家康を討ち取ってきます」
「無茶な」
「成功するかはもちろんわかりません。ですが家康に冷や汗をかかせるくらいは出来るでしょう」
三成様は深いため息をついた。
「ならば行って来い」
「ありがとうございます」
「ちょうど石部の向こうの水口の辺りに豊臣派の将がいる。そいつに協力を頼むと良い」
そう言って三成様は文机に向かい、サラサラと筆で何か書き、左近様に渡した。
そして左近様は頭を下げて準備のため、部屋を辞したのであった。