小さなあくび。





ドタバタドタッと

ただならぬ物音で
一階から誰かが駆け上がってくる。

この気配は面倒が起きる気しかしなくて
急いでタオルケットで全身を覆う。

寝るんだ!あたし!
寝るんだ!笹!








「さーちゃん!!!!!!」



ガチャっと、
許可もなく部屋に入ってくる

そんなことができるやつ、
この世でたった2人しかいない。






どうやら、そのうちの1人。
慶太である。




「さーちゃん、起きてー!

もう10時すぎてるよー!


起きてよー」





人の部屋に勝手に入って
部屋の主を起こそうなんて

100年早いわ!!


1つ年下の慶太に
頭の中でだけ反論する。








あたしは、優雅な休日を
過ごしたいんだっつーの!














「昂(kou)兄に怒られちゃうよ~。」



ボソッと独り言のようにボヤいた
慶太の言葉が
耳に飛び込む。









「昂兄、帰ってきてるの!?」













< 2 / 66 >

この作品をシェア

pagetop