小さなあくび。
それが、俺なりの好意だったことに気付いたのは大分、最近のことで。
それまでは、帰省するたび、笹に会うたび、ただザワザワとした胸の痛さと、もどかしさがあった。
いっそ、猫みたいな顔したこの子は女の子じゃなくて、
ほんとに猫だったらいいのに。なんて本気で考えたこともある。
この感情が
好き。ということだったことに気付いたのは、慶太から泣の電話が入ったこと。
笹が、高校三年生。
俺が25歳の時。
さぁちゃんに彼氏ができた。
その、慶太からの電話で俺も泣きたくなった。
ああ、なんだ。
まじで俺、笹のこといつからか女の子として好きだったのか。
って、気付いたらなんか心が少し軽くなって。
そして、踏ん切りがつくまでは会えないな。と思った。
自分の気持ちに気づいてしまったからには、本気で笹にアタックしてしまいそうな自分が怖かった。
俺と、慶太と、笹と。
この関係を崩すことは許されないことを痛いくらいわかったいたから。