小さなあくび。



アイスを食べながら、向き合う。


目が合うと、ニコッて笑う。





「なぁ、笹。


約束しよう。




今から俺、ずるいこというけど

それでも、この約束、守ってな?」









「約束?」







「そう、約束。


笹は、めちゃめちゃ幸せな恋愛をしてめっちゃめちゃ幸せな結婚をする。

で、胸張って、好きです。って言えるお婿さん連れて来いよ?」










あーぁ、


聞かなきゃよかったよ。

そんなの、無理に決まってるじゃん。





意地悪だなぁ、

意地悪で、

ほんっとに、ずるいよ。






どうすれば、あたしを傷付けないですむか考えてくれてるんでしょう?




あたしの気持ちなんか、

もう、バレバレだったんだね。








「昴兄、




そんな約束、
あたししないよ。」







目をみて、
話すことができない。




告白することだって
したくない。





かっこうわるいとこ、
見せたくないよ。





ずるい。








あたしも、ずるい。










2人して、ずるい、ずるい。









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