小さなあくび。
まだ、家についたわけではなくて
小さめのパーキングエリア。
「なんで、泣くの?」
そう、言われて
自分が泣きそうになっていることに気付いた。
「まだ泣いてな、い」
昴兄の前では、泣きたくないのに。
優しくされたら、
わたしは、
私は。
とっても、みじめ。
「笹、なんで今日、俺が笹とデートしたと思う?」
なんで、そんなこと言い出すの?
あたしをこれ以上、苦しめないで。
あたしが、昴兄を好きだから
それが昴兄にはわかるから
最後のわがままを叶えてくれたんでしょ?
「自分勝手極まりないんけどさ、
笹のこと、吹っ切るためなんだ。」
「へ?」
吹っ切る?
「好きだった、笹のことが。」