小さなあくび。


玄関を飛び出す慶を尻目に、


芙美子を抱きしめる。






「おかえり」


彼女は優しい声が耳元で響く。

彼女を抱きしめる腕をほどき、



顔を見る。目が合う。







「愛してる…」


自然と口から飛び出す言葉。





「ありがとう。

昴くん、よく頑張ったね」



「俺、笹に、ひどいことした。」



「うん、」






俺には芙美子がいるのに


笹に彼氏がいるのは嫌だと思った。







可愛い可愛い俺の初恋の人。





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