小さなあくび。
"自分勝手極まりないんけどさ、
笹のこと、吹っ切るためなんだ"
そう言ったときの笹の表情は、
真っ赤になって、
青ざめて、
はてなマークが浮かんでいた。
“好きだった、”
その一言を伝えても、
明日以降、俺は笹を支えることはできないのに、、。
最悪だ、俺。
「昴くん、
あたしはね、いつでも昴くんを信じていたいし
見方でいてあげたいと思う。」
芙美子の言葉、一つ一つが
体中に突き刺さる。
「なんで、そんなに…」
「昴くんと…似たような経験をしたことがあるから。
それはまた、いつか話すね。
でも、だから昴くんには後悔してほしくない。
あたしで縛り付けたくはない。」
必死で紡ぎ出す芙美子の言葉一つ一つから、愛情が伝わってきて。
俺は、芙美子に出会えたことが何より幸せだと思う。
「芙美子…ほんとに、。
ほんとにありがとう。」
いつかきっと、
また、笑って話せる。
心からの笑顔を
可愛い可愛い笹と
愛妻の芙美子と
可愛い慶と
心から笑って、話しをしたい。