小さなあくび。
「笹に電話もメールもしたのに
無視するから、俺ついに
嫌われたのかと思ったよ。」
「えー?!
あ、ほんとだ。」
こんなことなら
さっきケータイをチェックするべきだった。
「じゃあ、着替えたらうち来いよ、」
「・・・はぁい。」
なんだか、嵐のように。
ひゅーって、あたしの心を持って
いなくなってしまう。
いつも、いつも。
小さい頃からずーっと、
大好きだった人。
「さーちゃんさぁ、
まだ、昂兄のこと好きなの?」
部屋の片隅に座って
部屋と同化していた慶太が
ポツリと話しかけてくる。
「え、いや。わかんないや。
会うのだって久々だしさ、
7個も年上だよ?
好きとかじゃなくて憧れかな、」
ってなにをペラペラと。
頬っぺたが、とても熱くなっていることを感じながら、
なにを着ようか?
なんて、ただ隣の家へ行くだけなのに
心臓も心なしか早く脈打っている。