小さなあくび。
気付いたら、部屋の電気をつけたまま化粧もそのままに寝ていて、目の周りが涙でカピカピになっている。
気怠い身体を起こし、カーテンを少し開けると外は薄ら明るかった。
だけど、すぐ隣の慶太の部屋はカーテン越しに電気が漏れている。
とりあえず、化粧を落とすため階下に向かう。
リビングの時計は朝4:30を指していた。
起きてるの?
慶太にメールをすると、すぐの返信。
さーちゃんの部屋の電気が消えたら寝ようかなって。
「・・・っ」
その文をみた途端、自然と涙が溢れた。
コンコン、と窓がノックされる。
泣き顔は見られたくないから、
ありがとう。お休み
と、簡素なメールの返信をする。
慶太が、
私を好きかもしれないと思ったのは、いつだったんだろう。
そんな気持ちになんとなく気付いてしまってから、
弱いところは、見せないようにって思ってたのに。
慶太の前では、強くなきゃって思ってたのに。
昨朝の抱きしめられたぬくもりに、また甘えたいと思ってしまった自分がいた。
そんな自分が許せなくて、静かに電気を消す。