小さなあくび。

まさに空元気って感じだな。





俺が笹にしてあげられることは、何もないのかな。

元から昴兄に敵わないことなんてわかってた。
だから俺は、笹のそばからスッと離れて行った昴兄とは対象的に、笹な近くにいることを選んだ。



それが、正解かどうかはわかない。





けど、近くにいることで言葉にしなくてもお互いが何を考えてるのかくらい、わかる。

俺が、笹に不毛な恋をしてることだって、きっと。






“ ほどほどに頑張ってよ ”



と、可愛くない返信をして再び電車に揺られる。











午後、学校にきた笹は、メールにあったとおり中々のブサイクだった。


「顔のパンチきいてるね」

「黙れ小僧!!(某白犬の真似風)」

「似てないからね」



「知ってるわ!」




やっぱり、空元気で。
どこか上の空で。


笹の言動の一つ一つが、


昴兄を好き

だと、表しているようだった。








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