小さなあくび。
「そっか、よかった。」
「ん?なにが?」
「さーちゃんがまだ昂兄のこと
好きだったら、辛いかなって。」
「???」
「結婚、するみたい。」
結、婚、?、?
パサッと、
持っていた洋服を
床に落としてしまった。
「・・さーちゃん?」
「え、ああ、そっか。
そーだよ、ね、
もう、
29になるん、だ、もん、ね。、ね。」
我慢、できない。泣きそ。
ふわっと、優しい温もりに
抱きしめられる。
あんた、いつからこんな
男みたいな身体になったの?
細身のくせに
がっしりとした慶太の腕に胸に
包まれ、それに甘える。
あぁ。ほんとに好きだったんだ。
ほんとにほんとに、
昂兄が、好きだったんだ。あたし。