小さなあくび。




「落ち着いた?」








慶太にそう聞かれるまで

子どもみたいにしゃくりをあげ
泣いていた。






なんだか、悔しくて
自分が急に子どもに思えて。




「ありがと、

ごめ、鼻水ついたかも。」


「それ、最悪だよ~」




そう言いながら
至近距離で見つめあっても
許される慶太は

ほんとうに有り難い存在だった。





「じゃ。着替えたら
ちゃんとうち来て?

昂兄、楽しみにしてたからさ、

辛いかもしんないけど、
来てあげて?」






「うん、さんきゅ!」









さ、気持ちを切り替えますか!






リビングへ降りて行くと
昂ちゃんが結婚だって!結婚!

と、我が子のことのように
嬉しがっている母親と、

何故かうちで祝杯をあげている
昂兄と慶太のおっちゃんと
うちのお父がいた。






「おじちゃん、おめでとう!」



「おう、ありがとう。
うちとしては、
笹ちゃんに慶太を貰ってもらえれば
もう思い残すことはないんだがな!はっはっは!」

「そしたら、僕ら親戚じゃないか!
が、笹はまだ嫁にはやらーん!」

「「はっはっは!!!」」






親父's が、バカみたいに騒いでいるのを
放っておき、
シャワーを浴び、
軽く化粧をして、
隣家の敷居をまたぐ。




昂兄がこの家に戻ってきたのは
いつぶりだろう?






























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