小さなあくび。



「あ、そういえば明日から芙美の会社にインターンの子たちくるでしょ?」



私は夕食の準備。

昴は植物のお手入れ。



静かに作業をする日もあれば、その日の出来事を話し合うのもこの時間。



「来るらしいけど、あたしは直接関わらない部署だから。」


「あ、そうなの?
さっき電話きて慶太が芙美子さんの会社行くーって言ってたから。」



「へー、そうなんだ。
階は同じだから、からかいに行こうかなぁ。」



「そうしてやって。

今日、向こうから電話かかってきたくせに偉くテンション低くて元気なかったから。
八割型、笹とケンカでもしたんだろーけど。」





「そっかぁ。
慶太くん、笹ちゃん命だもんねぇ。」







そう言いながら少しだけ後ろを振り向く。




笹、と言う時の昴の顔はどんななんだろう。って思いながら。





結果としては相も変わらず、植物を丁寧に手入れをしてるだけなんだけど。
それでも、気になっちゃうのは私の嫌な心が強いから。







「そーいえば、笹ちゃんは就職決まったの?」





「あー、なんか今日慶太がブツブツ言ってた気がする。」



「ふーん、そっかぁ、」





「もう8月だしな。業種も知らないけどとりあえず良かった良かった。」




「そうだね。今度ちょっとしたお祝い持っていこっか?」




「適当に芙美よろしく。俺、忙しいし。」










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