小さなあくび。




「おばちゃーん、入るよ~」




この家に入る時は
ノックなんかしなくて、

いつも、
笹ちゃんは、うちの娘同然!
あたし、娘欲しかったのよ~!

と可愛がってくれているおばさんには
母には相談しづらいことまで
話すなかになっていた。







「あ。はじめまして!笹、さん?」




















身長がスラーっとしてて、
ふわふわの長い黒い髪がツヤツヤしてて、
ナチュラルな化粧に
パステルカラーの
柔らかい素材のワンピースを身に纏って。










あぁ、叶うはずない。







昂兄とその人は
お似合いすぎて、
絵になりすぎて、
・・・なんだか笑ってしまうくらい。











「笹、固まりすぎ。」








奥から昂兄が出てきて
ニヤッと笑う。

そして、クシャクシャと
あたしの髪の毛を頭を撫でる。










ずるいなぁ。

30目前のおっさんのくせに
かっこよすぎるんだよ、昂兄。

















< 7 / 66 >

この作品をシェア

pagetop