小さなあくび。
そのあとは、改めて
婚約者 芙美子さんを紹介され、
あたしも自己紹介をし
いつも、慶太くんと笹さんのこと
話にきくんですよ、
なんて微笑みかけられ
美しさを目の当たりにさせられ、
結婚式の招待状はまた送ります
やら、
今度、4人で遊びに行きましょう
と誘われ、
新居はここからわりと近くに構えるつもりです
なんて話も聞き、
心ここにあらず。
この言葉を身をもって経験した。
気付いたら夕飯時で、
有意義に過ごすはずだった
あたしの土曜日はあっという間に
暮れて行った。
おばさんに夕飯一緒にどう?
なんて言われたけど、
さすがにお断りをして
脳内がパンクする直前で
自分の部屋に帰ってきた。
部屋においてある
大きな鏡を見て、
少し巻いた茶色い髪とか
ツヤツヤのピンクのリップとか
ナチュカワメイク!
という最近習得した化粧した顔を見て
苦笑いしてしまった。
“お子ちゃま”
芙美子さんと並んだら、
ただのガキだ、あたしなんか。