総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
私は、イライラしながら電話相手を思い浮かべ――…
<そんな脅しも、照れ隠しのためだと思えば可愛いもんだな>
『―――ッ!!』
ついに、限界を突破した。
顔をタコみたいに真っ赤にした私は、大きく一つ息を吸うと
『雷河の……
バカぁぁぁああああ!!!!』
嫌がらせに、絶叫してやった。
その瞬間、苓が眉をピクッとひそめた。
そして、
『ったく、お前の脳には一体何が詰まって……ん?』
何かをメモ用紙に書き込むと、それを私に手渡してきた。
曰く、
―電話の相手、五十嵐雷河?―
(………ん?)
突然どうしたんだ?
なんて内心で首を傾げつつ、私は頷いてみせた。
――そう。
電話の相手は、私の髪を切った後にメアドを渡してきた…あの俺様ツンデレ君。
<そういや飛鳥、お前って高校はどこだっけ>
『え?東淋だけど…ってうわ!!』
不思議に思いつつも喋り続けていると、苓が突然私の手からケータイを奪い取った。
しかも
「やぁ雷河。僕の大切な女に何か用事ー?」
『れ、苓!?』
……なんか嘘をつきはじめた!!