総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
『ちょ、苓!?お前、なんでいきなりあんな嘘を!!』
私はとりあえずケータイのフリップを閉じると、苓の方へと向き直り
「いや、だってさ。
敵の弱みを見付けたら、付け込むのは当たり前デショ?」
さっきまでとは違う、冷たい笑顔でそう答えた。
『……………敵?』
「うん。敵だよ」
苓は私の言葉に頷くと
「西城高校を拠点として勢力を急激に拡大させ、今では僕達の次に強い全国No.2の暴走族[獄炎]は、俺達の敵。
そして――…五十嵐雷河は、その[獄炎]の総長だ」
なんてことないようにアッサリ、…衝撃の事実を伝えてきた。
――――――…
―――――…