総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
「サルは一人で十分なんだよ、馬鹿が。うっかりにも程がある、もう少し周囲に気を配れ」
『……すんません』
しかも、ぶっきらぼうな声でお説教までされてしまった。
とりあえず、先輩に抱き着く体制のままだった私は、身体を離すと
『えぇっと…名前は、』
「……吉井 悠途(ヨシイ ユウト)」
『吉井先輩、ですね。本当に助かりました、ありがとうございました』
そう言うと、涙目のまま頭を下げた。
…そのまま、ふと視線を動かすと
「飛鳥、大丈夫だった!?
っていうか先輩起きて~!!」
未だに目覚めない芹沢先輩を介抱する大輔が、こちらを心配そうに見ていた。