総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
甘い温もり
初めて見た時も思ったけど――その時よりさらに、雷河は格好良くなっていた。
意外にもキッチリと着られた制服に、胸元で輝くシルバーアクセ。
それでも、やっぱりチャラい雰囲気はするんだけど――…
『………っ』
前に会った時はずっと仏頂面だったから。
少しでも微笑みかけられると……なんかちょっと、照れる。
(くそ…これだからイケメンは!!)
照れ隠しに心の中でそんな悪態をつきながら、ここにいる理由を聞こうと口を開けて――
『雷河、お前どうしてここに
……って、なんで私のことを抱きしめてるのさーっ!?』
突如ハッキリと認識したその事実に、私は思い切り叫んでしまった。
……しかも、女言葉で。