総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
(……うげっ)
後悔先に立たず……なんて言葉を思い出しながら、ガチッと固まっていると
「……馬鹿か」
呆れたようにため息をついた雷河が、突然顔を私の方へ寄せてきた。
そのまま目線の高さを私に揃え、こちらを真っ直ぐ見つめてくる。
『…………っ!?』
そして、驚いて半開きになった私の唇に、長い人差し指を押し当てると
「お前、もう喋るな」
低い声で、命令した。
―――その距離、およそ3cm。
お互いの息がかかるほど近い位置にあるその綺麗な顔に、緊張した私は自然と息を詰めた。
だって、実は私……
(恋愛経験、0なんだもん!!)