総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
『ちょ…何をする!?やめろっ!!』
狼狽する私の身体を壁に押し付けると、両手首を一つにまとめあげ、それを頭上で固定する雷河。
反射的に抵抗しようとしても、押さえつけられた手首はピクリとも動かない。
しかも、焦っている間に私の足を割り開いた雷河の膝が、トン…と壁についた。
――再び密着する、二人の体。
『なっ………』
照れと恥ずかしさで、私は顔が真っ赤に染まった。
さっきまで平常運転をしていたはずの心臓が、突然速度と音を上げて…それがさらに私を動揺させる。
いつも無表情のはずなのに、今はその顔がやけに色っぽく見えて…
『っ、離せ!!』
なんだかさらに照れた私は、あらん限りの力で抵抗した。
けれど、
「……俺の番、って言ったろ」
『………!!』
耳元で低く囁かれ、自然と手足から力が抜けた。