総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
「大丈夫っすよ先輩方。飛鳥は俺たちが責任を持って教えますから」
「その通りです」「安心してください」
今までじゃれ合っていた3人が、苓達の前に立ち塞がった。
地を這うような低い声から、こいつらが不機嫌なのは分かるけど……はて、なにが気に触ったのやら。
『どうしたんだ、お前ら……?』
とりあえず聞いてみるけど、3人は「なんでもない」の一点張り。
……正直、訳がわからん。
仕方ないので、そのまま成り行きを見守っていると
「へぇ。その姿勢……俺と東に挑もうってワケ?」
「……いい度胸だな」
足止めされているのが不満なのか、苓と東が黒いオーラを揺らめかせ始めた。
それに合わせて、一年生3人も臨戦体制に入る。
『……オイ、暴れるんなら外でやってくれよ?』
自分の部屋で乱闘騒ぎなんて起きて欲しくなかった私は、火花を散らす彼らにとりあえず声をかけておいた。