総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜




――[悪鬼]を倒した――



その言葉に、無理矢理封印していた嫌な記憶が蘇る。



(そうだ、私は……)



脳裏に、顔を歪める彼の顔が浮かんだその瞬間



「お前ら、」



低く響いた東の声に、私はハッ…と我にかえった。



「驚くのはいいが、この秘密は絶対に守り通せよ?

ここは男子校だ。もしもこの事が学校全体にバレれば――飛鳥は、この学校を去るしか無くなるからな」


「……そうなのか?」



その言葉を聞いて、少し心配そうに声をかけてきたのはリョウ。


私はその問いに小さく頷くと



『あと……悪いけど。私はもう、2年前の[羅刹]のように強くは無いからね』


(たとえ戦闘になっても、本気は出さないって決めたから)



心の中で、呟いた。




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