総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
『……ったく。アイツ、次に会ったらブッ飛ばしてやる!マジで!!』
「まぁまぁ、落ち着いてよ飛鳥……」
『これが落ち着いていられるかっ』
夕闇に包まれた、駅までの道。
私は蒸し暑さと戦いながら、用事があるという大輔と共にそこを歩いていた。
「そういえば飛鳥、学校の方は順調?」
『まぁまぁ。何人かの友達には女だってバレちゃったけど、まぁあいつらは信用できるし。
[裂空]の皆といるの、楽しいしね』
「そっかぁ…」
何気ない、いつも通りの会話。
だから――私は一瞬、聞き流しそうになった。
「……なら、そろそろ攻め込ませてもらおうかな」
大輔が何気なく呟いた、その一言を。