総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
「………え?」
本当に静かな、いつも通りの声。
そのはずなのに、…なんだか違和感を感じた気がして。
聞き返しながら、何気なく大輔の方を振り向いた私は――直後、硬直した。
「ねぇ、飛鳥。実は俺、飛鳥に秘密にしてた事があるんだ」
軽い声。柔和な笑顔。
それなのに――大輔からは、鋭い殺気が発されていて。
『大…す、け……?』
……本能的に、これはヤバいと思った。
私は、手の平に汗が浮かぶのを感じながら、半歩後ずさった。
そんな私を見て、無邪気な笑顔を浮かべながら、大輔は口を開く。
「――俺ね、[獄炎]の総長なんだ」
……その途端、私の頭を鈍器で殴られた時のような衝撃が襲った。