総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜




自分の特攻服を肩に羽織りながらそれを耳に押し当てれば、怒号混じりのノイズが微かに響いてくる。



『オイ!聞こえるか!?』


《ッ、飛鳥!連絡が取れてよかった!!今どこにいる!?》



苓の声が聞こえてきた事に少なからず安心した私は、バタバタと支度をしながら返事をする。



『東と一緒に寮だ!今からそっちに向かう!!倉庫の現在の状況は!?』


《現在、僕達は倉庫の外で交戦中!とりあえず、倉庫内に入られないように食い止めてる!!》


『敵の規模は!?情勢はどうなってる!』


《敵は、僕達と同じくらい!だけど一人一人が強い、こっちは劣勢だ!皆、少しずつやられていってる!!》


『―――!』



その言葉を聞いた私は、一瞬息を呑んだ。


けれど、すぐに気を取り直すと



『……私は、[裂空]の皆を信じてる。

その上で――総長命令だ![獄炎]の人間を、一歩たりとも倉庫の中へ入れるな!いいな!?』


《了解!》




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