総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
…次に意識を取り戻した時、俺は病院のベッドの上だった。
そしてそこで、医者から【激しい運動は控えなさい】と――事実上の『喧嘩禁止』を伝えられる事となる。
……正直、それを聞いた直後は飛鳥を本気で恨んだ。
けれど――…
『ごめん大輔、ごめん……っ!』
俺に向かってひたすら謝り続ける飛鳥の様子を見ていたら、いつしか怒りの気持ちはどこかへ行ってしまった。
……そもそも、もしも俺と飛鳥が逆の立場だったとしたら。
飛鳥が暴走し、それを止められるのは自分しかいないと判断したら――俺は迷わず飛鳥と同じ事をしただろう。
……そう思い直した瞬間、俺は自分の気持ちが楽になるのを感じた。
医者に聞いた限りでは、リハビリ次第で普段通りの生活には戻れるらしいし。
後ろ向きに考えて飛鳥を恨むよりも、今の俺ができる事を考えよう。
そう、思っていたのに――…
『ごめんなさい……』
飛鳥は、違った。