総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
「だってさぁ、先に攻撃を受けたのって飛鳥だよね?」
『そんな事ない!殴られる直前に足払いかけたし!!』
「でも、先に隙を突かれたのは飛鳥の方だしなー」
『あれはわ・ざ・と!隙を突かれたたんじゃない、突かせてやったんだ!』
「本当に?」
『本当だよっ!』
「へぇ……」『うー…っ』
疑いの眼差しを向ける大輔を、唇を尖らせて睨みつける。
けれど、そんな表情は一瞬で崩れ去り――…
「ふっ、」『ぷっ、』
「『あっはははははは!』」
私達はお互いの顔を見合わせると、大声で笑い始めた。
それだけで、今までお互いの間にあった溝が埋まっていくような気がして。
それがまた、嬉しくて。
「『はははははっ!』」
私と大輔は、地面に寝転がったまましばらく笑い続けたのだった――…。