総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
「――――――っ!?」
総長から見れば、私はただ立っているだけに見えただろう。
けれどそんな事は、ない。
『これで終わり?』
「―――ンな訳ないっしょッ!!」
私の挑発に乗った総長が、私の蹴りをかわしざま拳を放った。
鳩尾を狙って繰り出されたそのパンチを、上に跳躍して回避。
「ッ!?」『よーいしょっ』
間の抜けた声と共に総長の背後へ着地すると、そのまま首を狙って後ろ回し蹴りを放つ。
それを気配のみで察知した総長がしゃがんで蹴りをかわし、同時に足払いをかけてくる。
けど――…