夢見るゾンビ

給湯室でお湯を借りて、先生が貸してくれたメイク落としでこすったら、ようやく顔はきれいになった。

髪の毛も、熱めのお湯をタオルに含ませて、先生が拭いてくれた。

「どうもありがとうございました。じゃ、失礼します」

帰ろうとすると、また門脇先生に引き止められる。

「はいさようなら。じゃない!森永、終バス終わってるから、家まで送りまーす」

「えぇ?いやいや、大丈夫帰れますよ、駅まで走ってババババーンとですねぇ・・・」

門脇先生は、強情だった。

「あ、そうですか?いやいやいや、送るったら送りまーす」

門脇先生はその後、駅に置いてあった私の自転車も積んで、家まで送ってくれた。

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