夢見るゾンビ

学校の方から来たバスが、バス停に止まるのが見えた。

この時間だと、これが多分終バスだ。

部活帰りの生徒がゾロゾロ降りてくる。

私は、思わず立ち上がった。

颯太くんだ!

降りてきた生徒の中に、颯太くんがいた。

今まで動くことを忘れてたんじゃないかと思うほど、突然心臓のドキドキを感じる。

今まで部活だったんだ!お疲れ様!

さっきまで笑顔を作ることも一苦労だったのに、自然に笑顔があふれた。

「ごめん、待ったでしょ?」

「ううん。全然!颯太くんこそ、お疲れ様!お腹すいてない?ちょっと小腹を満たしたほうがよくない?それとも、今からだったら8時の回に間に合うから、すぐ行こうか?」





< 126 / 235 >

この作品をシェア

pagetop