夢見るゾンビ

「お前がやったから、退部になったんだろーが!」

納得しない大柄君が、私の机を蹴る。

「責任取れ」と書かれた私の机が、派手な音を立ててひっくり返った。

それが太ももに当たって、鈍い痛みが走った。

もう一人が、彼をなだめる。

「手は出すなって」

「出たのは手じゃなくて、足だけどね」

やば!思わず、口が滑っちゃった!

「ふざけんな!」

大柄君は、ますます怒った。

ただでさえ大きな大柄君は、威嚇しているネコみたいに肩をいからせて私の前に立つ。その姿はまるで、大人と子どもだ。

大柄君が本気になれば、多分片手で私を殺せるだろう。

こわい・・・

思わず、足がすくんだ。

そのとき。

「ちょっと」

後ろで、声がした。

凛としているけれど、震え上がりそうなほど超不機嫌な声だった。



< 132 / 235 >

この作品をシェア

pagetop