夢見るゾンビ
「お前がやったから、退部になったんだろーが!」
納得しない大柄君が、私の机を蹴る。
「責任取れ」と書かれた私の机が、派手な音を立ててひっくり返った。
それが太ももに当たって、鈍い痛みが走った。
もう一人が、彼をなだめる。
「手は出すなって」
「出たのは手じゃなくて、足だけどね」
やば!思わず、口が滑っちゃった!
「ふざけんな!」
大柄君は、ますます怒った。
ただでさえ大きな大柄君は、威嚇しているネコみたいに肩をいからせて私の前に立つ。その姿はまるで、大人と子どもだ。
大柄君が本気になれば、多分片手で私を殺せるだろう。
こわい・・・
思わず、足がすくんだ。
そのとき。
「ちょっと」
後ろで、声がした。
凛としているけれど、震え上がりそうなほど超不機嫌な声だった。