夢見るゾンビ
「ねぇねぇ、あの人何なの~?」
教室に着いて早々、ぶーちゃんが目を輝かせて話しかけてきた。
「もしかして、ばんびのカレシ?」
「さすがだな、ばんびの人選は一味違う」
詩織まで乗ってきた。
「違うって!!」
誰が好き好んであんなコスプレ変態ナンパ王子なんかと!
必死になって否定したけれど、必死すぎてなんだか図星みたいになってる自分が嫌だ。
もう、どうすりゃいいのよう!
王子との馴れ初め・・・違う!こんなことになってしまったいきさつを一生懸命説明しているうちに、朝のホームルームの時間になった。
及川先生が入ってきたけれど、なぜか入り口のドアを開けたままだ。
「皆さん、転校生を紹介します。どうぞ、」
及川先生がドアの外に呼びかけた。