夢見るゾンビ

「うん、Mischaって日本語では、ミーシャがしっくり来るよね~」

門脇先生のアドバイスで、王子はミーシャと呼ばれることになった。

メッチャとかパーヤネンだと、どーしても違うことを想像してしまうからね・・・。

「ミーシャかあ。歌手でいるよねえ、女だけど」

「男性チェリストで、ミッシャ・マイスキーという人もいるな」

「ミーシャデース。ヨロシークオネガイシマース」

「・・・で、なんでミーシャがここにいるわけ?」

英語部の部室に、王子改めミーシャがニコニコ顔で座っている。

「ソレハ・・・」

ミーシャは私のことを、恥じらいもせずに見つめた。

「バンビノソバーニ、イタイカラデース」

「きゃー!」

ぶーちゃんが顔を赤らめた。

「ばんび、良かったじゃん!」

「良くないよ!」

私はまた、必死に否定した。

良くないでしょ!

だって結婚したら・・・(しないけど!)

ばんび・パーヤネンになるんだよ?

仮にミーシャが「ワターシ、モリナガケニ、ムコニハイリマース」って言ってくれたとしても、(だから、結婚はしないけど!)

こんなコスプレオタク、嫌だってばあ!

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