夢見るゾンビ

「ちょうど良かった。王子さま役が見つかって」

「このまんま、出られるね」

詩織とぶーちゃんは、文化祭でやる英語ミュージカルの配役を話し合っている。

「ミーシャが王子ってことはやっぱり・・・」

「白雪姫は・・・」

二人が、私を見た。

「ばんびだよね」

「えぇぇえええ!!私、小人7人全員の役だったじゃん!詩織が白雪姫と王子で、ぶーちゃんが魔法の鏡で、門脇先生は継母で」

ミーシャは大層喜んで、天に向かって感謝している。

「だって、そうしないとミーシャが黙ってないと思う」

「ほら、稽古始めるよ~」

「スノーホワイト、ウィアー スモールパーソンズ」

「アイアム マザーマザー、イヒヒヒ」

「アイム マジックミラー!」

「バンビ、アイラブユー!」

どさくさに紛れて、なんか言ってるし!
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