夢見るゾンビ

そんなこんなで、文化祭はまぁ盛り上がった。(私以外)

「打ち上げやろう!」

文化祭が終わった日曜の夕方、私たちは駅前のファミレスにいた。

「ん~、あ!これおいしい~!あ!これもおいし~!」

門脇先生はみんなで頼んだ大盛りサラダの残りを、いつまでも食べている。

「も~お腹いっぱい!次デザート頼もうよ」

私がそう言うと、詩織が

「お腹いっぱいなのにデザート頼むわけ?」

と呆れている。

だって、デザートは別腹だもーん!

ぶーちゃんはダイエットをしているそうなのだが、

「朝、ちょっとしか食べなかったから」

と誰に言ってるのか分からない言い訳をつぶやいて、ピザのお代わりをしている。

ミーシャはといえば、

「ばんびの白雪姫、チョー萌えた」

だいぶ日本語が上手になってきた。

奥の席に座った人たちのためにドリンクバーから飲み物を調達してくるなど、甲斐甲斐しく動いている。

ミーシャってこういうところ、優しいんだけどねえ…。

デザートを平らげ、そろそろ帰ろうかという頃だった。

私たちの席に、違う学校の制服を着た集団が近づいてきた。


< 210 / 235 >

この作品をシェア

pagetop