夢見るゾンビ

長身のミーシャが立ち上がると、奥の席の詩織がうまい具合に隠れた。

「今日はボクたち、ブンカサイのウチアーゲなんだ。もっとシオリと話していたいから、カラオケには行けないよ」

ミーシャは、とても冷静だった。

「ボクはシオリをレスペクトしてる。彼女はストイックだけど、とってもピュアだ。ボクだけじゃない、ここにいるみんなが彼女をそう思ってる」

ミーシャが、にこりと笑ったけれど、目は笑っていなかった。

「だから、これ以上ボクらをバカにするようなら、ボクは君たちを許さない」

詩織の「お友達」は、おどおどしながら帰っていった。

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