夢見るゾンビ

・・・。

名前がパーヤネンだから、ミーシャとはあり得ないっていうのは。

なんか、違うような気がしてきた。

パーヤネンだって、フィンランド語では何かステキな意味の名前なんだろうに。

たまたま日本語にすると、関西系のギャグになっちゃうだけであって。

ミーシャには、生まれついた名前はどうすることもできない。

私が一生、ばんびであるのと同じで。

名前で人を判断するのは、私のことを「ゾンビ」と言って笑ってたあの人たちと、大して変わらないような気がする。

ミーシャはオタクでパーヤネンだけど、いいところがいっぱいある。

優しいし、勉強もがんばるし、さっきもすごく大人な対応してたし。

「メッチャパーヤネン」の意味を知ったときも、大笑いして笑い飛ばしていた。

自意識過剰じゃないところも、好きだ。

でも、バンビ・パーヤネンかあ・・・。

まだこの名前を受け入れられるほど、私は大人じゃないってことなのかなあ。


心の中でちょっと反省していると、


「バンビー!どうしたの、そんなマジメな顔して」

ミーシャが、振り向いて私にじゃれてきた。

「分かった!バンビ、さっきボクがかっこよかったなあって、ポーッとなってたの?でしょ?でしょでしょ?」

「違うってば!」

もう!今の反省、撤回!


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