夢見るゾンビ
私は、4月から東京のお父さんちで暮らすことになった。
浩二おじちゃんが、「ばんびは俺が面倒見るから!」って言ってくれていたみたいだけど、お母さんはそれを許さなかった。
浩二おじちゃんの人生を変えるようなことを、したくなかったみたい。
私は4月から、同じ系列の都内の高校に、転校することになった。
英語部のみんなとも、お別れだ。
せっかく友達になれたのに。
転校のことを話したら、ぶーちゃんはまた泣いた。
詩織はしばらく黙っていた。
ミーシャは、「ボクはアキバにしょっちゅう行ってるから、大丈夫!」とよく分からないことを話していた。
突然、詩織が言った。
「ねえばんび。富士山登ろうよ」