夢見るゾンビ
予想してたけど、登り始めて10分もたたないうちにぶーちゃんの足が遅くなり始めた。
富士見山は、もちろん富士山よりは低いけど高低差は結構ある。普段から運動していない人にとってはなかなか辛いかもしれない。
「ちょっと、タイム!荷物軽くするから」
ぶーちゃんは立ち止まって、リュックからお菓子を出して食べ始める。
「・・・全体としては、あまり軽くならないような気がするんだけど」
詩織の一言に、みんな笑った。
だけど、なんだかぶーちゃんらしくて、かわいい。
「みんなも手伝ってよう」
ぶーちゃんが言うので、みんなでおやつを食べた。
食べ終わって、さぁ出発!
一行は、落葉樹の林を進む。
まだ芽吹く前の木々の間からは日光が降り注ぎ、体温が上がっていくのを感じた。