夢見るゾンビ
ぶーちゃんの足が、とうとう完全に止まってしまった。
お菓子を食べても、やっぱり荷物は軽くならなかったみたいだ。
「わ、私を置いてみんなはどうぞ先へ・・・」
荒い息をつきながらそう言うぶーちゃんを、詩織がたしなめる。
「みんなで行かなきゃ、意味ないの」
詩織がぶーちゃんに背中を見せ、膝をついた。
「ほら、乗った」
「・・・ごめーん」
詩織が、ぶーちゃんを背負う。
「おぉ、なんか肩甲骨の辺りに柔らかい何かを感じる・・・」
「キャハハ!なんだかくすぐったい」
笑う二人を見て、私は安心した。
私がいなくなったらぶーちゃんはどうなっちゃうんだろう、と少し心配していたから。
詩織がいるから、大丈夫だね。