夢見るゾンビ
よし、前向きモードだ!
一生に一度の大舞台、この緊張感を楽しもう!
おぉ~、全世界が私に注目しているよ!
こんな貴重な機会、滅多にないよね!及川先生、ありがとう!
ここにいるのは、みんなわたしの友達!(に、なる予定!)
みんなー、愛してる!
ばんび、行きます!!
私は大股で前に出た。
出すぎて教壇にまで上ってしまったが、そんなことはお構いなし、出たとこ勝負だ。
クラスのみんなを見る。
みんな、今日からよろしくね。楽しい学園生活を送れますように。
祈る気持ちで、第一声を発した。
「森永ばんびといいます。中学は、小梅台中学でした」
私が歯を見せて笑ったら、みんなもつられて笑ってくれた。
なんていい子たち!ありがとう、みんな!
この学校は、天国みたいな場所だ!
笑い声を追い風にして、私は声を張り上げた。